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開発標準について

このガイドラインの狙い

「WEBサービス開発プロジェクトにおける顧客価値の向上」 を目的とします。

「顧客価値」は「QCD」により測ります。QCDとは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字をとったもので、開発生産業務の評価指標のひとつです。通常「品質」を最優先に考えますが、その品質を担保するためには「コスト」や「納期」が犠牲となる関係にあります。

そこで事前に「品質」の定義を明確にし、開発体制や手順・設計の中に「品質担保施策」を折り込むことで、「コスト」や「納期」に影響を与えることなく、最大の「品質」を実現することを目指します。

その他の狙い

その他にも以下の効果を期待して策定します。

共通認識の形成

このガイドラインを通じて、利害関係者間の共通認識を形成します。

個別の案件内容を前提としない範囲で、決められることを先に決めておくことで、以下の効果を期待します。

  • お客様が、お客様の要求水準と当社の実施能力にギャップが無いか確認できる
  • 協力者が、オンボーディング資料として活用し、迅速な開発参加ができる
  • 開発者(当社)が、お客様・協力者に対して行うべき説明を網羅でき、また説明時間を短縮できる

迅速な共通認識の形成により、事業価値の高い開発により多くの時間を割けるようになることを目指します。また、いち個人が開発の現場で役立てられることを重視します。関係者の大小を問わず、このガイドラインを読み、理解し、役立てるのは1人の開発者である、ということを常に念頭におきルールや基準の策定を行います。

標準を元にした改善

この標準から得られた反省を元に、さらなる改善を図ります。

「軸がないとブレる」と言いますが、このガイドラインはその「軸」を担います。軸がないと、適切な課題の認知ができず、改善の方向性が定まりません。また変化する技術トレンドに目移ろいし、場当たり的だったり未成熟な取り組みをしてしまいます。

これらの「ブレ」にガイドラインを「軸」とすることで対処し、より確実な改善を行います。現場で得られた反省を特に重視し、技術動向を注視しつつも、それを取り込む場合は等身大な取り組みとなるよう慎重に判断します。

開発者や開発組織が、お客様・協力者・経営者から「このやり方なら信頼できそうだ」と期待され、信頼を勝ち取ることを目指して、このガイドラインに地道な改善を積み重ねます。

投資者と作業者の保護

ガイドラインの制定により、開発組織のガバナンスを強化することで、システム投資のリスクを軽減します。

多くの場合、開発者個人は出資者では無く、普段の開発において「投資」との関わりを意識することはありません。開発工程は「作業」であり、よく計画された開発案件ほど開発者は「作業」に集中できます。

一方で、お客様にとってシステム開発は「投資」です。リターンを目的としつつも、投資金額、またはそれ以上を失うリスクを伴います。そして時に作業者の過失により、そのリスクが実現してしまいます。

そこで、投資者と作業者の双方を守るために、ガイドラインの制定によるガバナンスの強化を図ります。これは、株式市場が上場企業にガバナンスを求め、投資家保護を図ることに習う取り組みです。

「仕組み」でリスクに向き合い、システム投資の成功確率を高めつつ、開発者が個人で責任を負うことがない開発体制を構築します。このために開発者に制約を課すこともありますが、その時はそれが開発効率の「障壁」ではなく、投資者と作業者の双方を守る「ガードレール」として機能させるよう注意を払います。